2019年8月28日

アンティーク食器を使う。Terre de Pipe テール・ド・ピープ

グルニエイデコのオンラインショップを始めた当初よりずっと、いつかはまとめてどこかで説明しなければ、と思っている内容。

グルニエイデコオープン当初は、「アンティーク食器はインテリアの飾りもしくはコレクション用」でいた店長イデコ。

でも、実際のところ、ほとんどのお客様はアンティーク食器を実用として使っていらっしゃる。

フランス人の家庭では、19世紀後半のお皿たちが普通に使われていたりします。
使えるんです。
実際。
ただし、注意は必要になります。

いろんなパターンがあって、未だにまとめきれていないので、今回もブログとしてご紹介します。

また私の言っている事がすべて正しいわけではありません。

今回は19世紀初期のテールドピープについて。

先日友達に購入してもらった、19世紀初めのサルグミンヌのお皿です。



ちなみに、購入してもらったのは下の2枚で、上の写真のお皿はうちにまだある分です。

このセット、他のお皿もすでにヒビが入ったオーバル皿があり、アグラフという古い技法で修理がしてあります。
ヒビが入りやすい陶器なのかもしれません。

1800-1830年あたりに作られていた砂のように粒子の細かい白い土から作られています。

フランスでは当時のたばこ用のパイプのヘッドにも使われていたので、テール(土)・ド・ピープ(パイプの事)と呼ばれています。


送ってもらった写真がこちら。
2枚選んでもらったうちの1枚にはすでにヒビが入っていました。(右)

フランス人は多少ヒビがあってもカケがあっても愛着のある食器を使い続けているので、これくらいは私も大丈夫だろうと思ってしまっていました。

ところが、友達の話によると、チリコンカルネを作って、熱々の状態でお皿に乗せたところ、ピキッと音がしてヒビが入ったそうです。

熱をショックとして捉え、ヒビのあった部分のヒビが拡大してしまったと考えられるかもしれません。




それと、水に浸けたところ全体が黄ばんでしまったと。

よーく2枚を見比べると確かに、色が変わっています。

とても優しい友達で、文句を言うわけではなく、正しく報告するという形でお話してくれて、本当にありがたいなと思いました。
柄が気に入っているから大丈夫とも。

今回のお話でとっても勉強になったのですが、そうでなければ、お客様の中にも熱々の食材を乗せてお皿が割れてしまった事がある方もいらっしゃるはず。

2011年より3件ほどしかご報告をいただいていないのは、少なすぎやしないだろうか。

 なるべく、実用向きではない事は書き出しているものの、全部に目が届いていないのは確かです。
そんなこともあって、目に見える場所に説明を貼っておきたいのですが、本当にこれが難しい。


例えば、陶器製のコーヒーフィルター。
日本製です。
日本で1200円くらいで購入したものです。

何年お店にあったかは分かりませんが、新品で購入しました。



使ってすぐに(初日だったかもしれません)熱湯を注いで、コーヒーがドリップされるまでの間、少し離れた場所でべつの作業をしていたら、「ピキピキッ!」ってすごい音がしました。
駆けつけるとヒビが!

それから、熱湯を注ぐ前にある程度熱いお湯で温めてから使うようにしました。
今はまた直接入れてますが。。。(;^ω^)
ものぐさ?



かれこれ5か月ほど、ほぼ毎日使って、小さな貫入が入るようになりました。
貫入はとってもゆっくりです。
このまま全部に貫入が入るというわけでもなさそうです。

ヒビの入った場所は、左右の繫ぎ目からでした。
新品でヒビが入っていなくても、つなぎ目からヒビが入る場合があると言う事ですね。

本来ならば目止めなるものをした方が良いようです。

今さら聞けない…陶器の基本【目止め】簡単3ステップでやってみよう | キナリノ
https://kinarino.jp/cat6/29915
 



今更目止めをしても遅いのでしょうかね、やっぱり?



これは使い始めのヒビが入った日に撮った写真。(5か月前)
ドリッパーの下の繫ぎ目にヒビ、入っていますね。


最初はこんな感じでした。

はじめに目止めをすればヒビ、入らなかったのかなぁ???

お米が貴重なフランスで、毎回目止めをするのも。。。って実は面倒なだけですが。

また、本当に砂のように細かで柔い質感のテールドピープに目止めをして効くのだろうか?などなど。

未だに謎なところが多いです。

これではまだまとめになりませんね。

でも近いうちにオンラインショップの方に、使う際の注意事項として何処かに付けたしたいと思います。

今年の内には(;^ω^)

皆さまがお優しすぎて、ご報告が滅多にないもので、きっといろんな体験されていらっしゃるのではないかと。。。
心配しております。

こんなことがあった、体験話是非お聞かせください。m(__)m
出来る範囲でこちらも対処させていただきますし、こういうお話がとっても参考になります。
また、私も成長できる良い機会なのです。
もう成長しなくていいはずの年なんですけど、爆。

<アンティーク食器と長く付き合うには>

① フランスアンティークのFaience製の食器を使う前に目止めをする。
素地の目が細かく固く焼き上げられているポーセリン製の食器には必要がないと思われます。
また今回のテールドピープ素地のものに有効かはまだ分かりません。

② 実用として使う場合は、19世紀終わり~20世紀のものを選ぶ。(19世紀中期以前のものはコレクション用と考えていただくか、乾き物やデザートなどに使うなど)

③ 熱々のものを乗せる際は、あらかじめお湯などで温めておく。

④ 電子レンジは避けてください。

⑤ 食器洗浄機もお勧めしていませんが、実際使った方のお話では逆にお皿の黒ずみが取れて綺麗になった方もいらっしゃいます。
ただ、フランスの水はカルキが多いのでフランスでは避けた方がよさそうです。

⑤ ヒビのあるものは金継など食品を乗せても問題がない方法で修理しておく。

⑥ アンティーク食器として、破損しても大切にしてくださる方にご購入いただくのが理想的です。

ですが、

本当に破損話などありましたが、遠慮なさらずご連絡くださいね。
私もこうして勉強しております。

よろしくお願いいたします。

2019年8月20日

フランスアンティーク 新商品UPしました♪ グルニエイデコ 2019/08/20

今回は、ブルーと白で夏らしく爽やかに♪


ぽってり白釉のムスティエやヴァラージュ、エミールテシエ♪





ツバメのラヴィエ。





ブルーカマイユが美しい大型カップ♪





ひまわりのバルボティーヌ♪




白とブルー系のいろいろプレート♪





燕のエナメル絵付けガラス。





深い紫が美しいボンボニエール♪




シャルル10世の厚いグラスなど!

ごゆっくりご覧ください♪

そして、見ながら夏を楽しんでいただければと思います。

グルニエイデコのオンラインショップ
http://ideco.ocnk.net/

店長 イデコ(*^^*)

2019年8月15日

クレイユエモントロー ブルーオクトゴナル特集♪

夏仕様なブルーグレーのお色が素敵なモントローのオクトゴナルのご紹介です♪

すべて20世紀前半のお品になります。

最後の方にやはりクレイユエモントローの違うお皿もご紹介しています。




スーピエール、レギュミエ、コンポティエふたつ、デザート皿3枚、ラヴィエ2枚をご用意しております♪

(手前に置いてあるので大きく見えますが、3枚のお皿はデザート皿になります)

ラヴィエは集合写真のときには忘れておりました。最後の方に写真あります♪



まずはスーピエールとレギュミエから。

大きい方がスーピエール、スープ用の器です。






スーピエール。






本体の取っ手の内側に製造時にできたと思われる亀裂が1か所、フチにチップや窯キズが5、6か所ほどなどが見られますが、比較的ムラの少ない綺麗な作りだと思います。
古いものとして良い状態だと思います。



レギュミエ。

付け合わせの野菜などを入れるための器です。




内側底に半サークル状のラインがあり裏にも一部貫通しています。

水を入れて2時間置いておきましたが漏れはありませんでした。
表面も乾いた状態でした。

使用するとすれば水分の少ないものに、また使った後は水に浸けておくことは避け、放置もせず洗って、洗ったらすぐ乾かすことをお勧めいたします。

もしくは金継が可能であれば金継などの補修を♪





ヒビの貫通した部分。
2時間水を入れておいた際、この裏の部分が濡れるようなことはありませんでした。




そして、コンポティエ2点。

微妙に状態が違いますので、UP後のオンラインショップでお確かめください。



 左から#1,#2,#3

デザート皿は3枚。

製造時の不具合を除けば、少しカトラリーのキズがあるにしても大変良い状態のお品です。
#3に表面に波を打ったような、ムラ(素地自体なのか釉薬なのかは判断が付きません)が見られます。
写真では非常に分かりにくいのですが、肉眼では分かります。


左から#1,#2,#3

そして、ラヴィエが2枚。


左から#1、#2





#1
角裏にカケがあるものの、良い状態だと思います。




#2
黒い斑点が一部とフチに釉薬の削げが見られる部分がありますが、
やはり良い状態だ思います。

#1#2とも素地や釉薬のムラ、窯キズは普通に見られます。


以上ブルーオクトゴナルでした♪

そして、同じくらいの時代のブルー系のプレートたちもご紹介します。




2枚セットです。

ブルーのセットは、モノグラムが入ったリムの美しいプレートと、レトロなブルーが素敵なHBCMのお皿。

両方とも少しだけ深さの付いた、スープ皿にしては浅い、お皿です。




こちらも2枚セットです。

大変珍しいモスグリーン色の花リムプレートと、同じモスグリーンの丸リムプレートです。

こんなお色のシリーズもあったのですね!
とても落ち着いた色合いです♪







素敵でしょう、ブルーオクトゴナルとブルー系のアンティーク食器たち♪






以上のお品ものは間もなくグルニエイデコのオンラインショップでお目にかかれます。
詳細などはUP後のオンラインショップ、各商品ページでお確かめください。



お楽しみに♪


グルニエイデコのオンラインショップ
http://ideco.ocnk.net/

店長 イデコ(*^^*)

2019年8月8日

まだまだ夏! ガラス製品や白とブルーのフランスアンティーク♪

次回更新予定のお品ものたちのご紹介です♪



燕のシュクリエ♪

ガラス製の樽型容器にツバメの柄がエナメルで絵付けされた可愛いお品です。





蓋が面白いんですよ。



このように、バネ式になっていて、





つかめるんですね!

なにが掴めるのか???

きっと角砂糖でしょうね!







残念ながら1か所、5つか6つ股に分かれたヒビがあります。
貫通しています。




後ろ側から見たヒビ。

ただ、なかなか出会えないものですので、

それでも価値があると思ってくださる方へ💕





あと、口径は当時の製造工程のままで、切りっぱなしになっています。
今見ると、というか当時を知りませんけどさすがのイデコの年でも、ギザギザのままってすごいですね。

ディーラーさんには、紙ヤスリで削ればいいんだよって、言われますがいまだやったことがありません。
ツルツルになるよ、って言われるんですけど。。。

ギザギザのままでは、いくら蓋が面白いからって、実用にはお勧めできません。
あくまでもコレクション用に、またはギザギザの部分をお直しとかしてくださる方へ♪

ガラスでも金継できるのかな?






そして、濃い紫が美しいボンボニエール。
ボンボン(キャンディ)を入れる容器だと聞いています。

もちろん他の用途にも。

こちらは美品です。




ヒビではなく製造時にできた素地の寄れです。





こちらはシャルル10世様式のグラス。
リキュール用などの小さいものではなく、お水用くらいのゴブレットです。

金彩はほぼ剥がれています。

とっても重厚で美しいグラスです。




脚に1か所カケがあります。

触らなければ大丈夫ですが、この部分はぶつけたりしませんように。
このままよりもお直ししてから使っていただくのが理想的です。





陶器類のご紹介です♪

上のは窯が不明なのですが、素敵だなと思って仕入れました。
19世紀のヴァラージュとかでしょうか。

リムのカットワークも素敵なお品です。




そして、白地にブルーの小花柄のオクトゴナル皿。

オクトゴナルプレートは、モントローのブルーオクトゴナルもご紹介する予定です♪





クレイユエモントローのオーバルプレートは2枚大きさ違いでご用意しております。

ブルーというより紫がかって素敵なモーヴ色なんですよ♪





2枚の間に少しお色の違いが見られます。

いずれも素敵です💕




取り分け用の大皿などに。

お花とアイビーの蔦が素敵な柄です💕





そして、ムスティエ陶器もいくつか形のあるものが入りましたので、ご紹介いたします。





ムスティエのピシェ。

真白の厚い釉薬の下には南仏の土の色が心なしか透けて、南仏の朗らかな雰囲気が出ていると思います。






口径部分フチには釉薬の削げが見られます。





取っ手と脚の一部にも。

でも、大きなカケもヒビもなく、古物としては良い状態ではないかと思います。





そして、蓋なしのスーピエール。

持ち手の装飾が美しいですね(T_T)

全体に入った貫入も綺麗です。。。💕





貫入からヒビになったような部分がフチに4か所ほどあったと思います。
スーピエールの大きさからいうと大きなヒビではありません。






そして、吸飲み。
フランス語ではカナールドマラドという名前がついていて、カナール=鴨、マラド=病気の患者さんの事で、鴨の吸飲みのような感じになると、急に可愛く感じます、(笑)

昔の介護用品になるわけですが、たまにお世話になるリルシュルラソルグのアンティーク屋さんが、「悲しいオブジェよね」(男)
って、言うのを思い出します。(笑)

「でもお花を飾ったり、この形が味があって素敵です」って言ってあげます。(笑)




小さなヒビありですが、とってもきれいな状態です。

お花を飾ったり、私は小さな観葉植木に水差したりするのに使っています♪






エミールテシエのデコラティヴなスーピエール。
ブルーの色付けがしてあって、夏仕様な雰囲気が素敵です。



一か所、フルールドリス風な飾りの部分にカケが見られます。
蓋の全体の装飾がデコラティヴなので、目立たないと言えば目立たないですが、気になる方は見送られてくださいませ。





エミールテシエの手の込んだ陶器たちは、実用には使いにくいものが多いと思います。
やっぱり、コレクション用の作品といった方がしっくりくる気がします。

さすが、20世紀の巨匠。
これからどんどん貴重なものになってくることでしょう。





冒頭でツバメちゃんをご紹介しましたが、ラヴィエもご用意しております♪

しかも燕ちゃんがいっぱい!





ブルーカマイユが素敵なのはボルドー窯の、なんと、マグカップ!!!

マグカップという名前は存在していなかった時代の、ビールなどの量の多い飲み物に使われていたものだと思います。
もしくはココア用のショコラカップ。

もしくはキッチン用の計り代わりに。

この大きさはフランスのカップでは大変珍しいです。







フチに1か所チップが見られますが、口には当たらない場所です。





ジャポニズム風なデザインの昼顔とパンジー(かな?)の柄です。

クレイユエモントローのフローラシリーズに影響を受けている気がします。





内側もツヤツヤ。
ですが、キズやシミは見られます。





夏の終わりに、向日葵の商品も♪

地の水色の可愛い色には草木模様がエンボスとなっていてまた可愛いんです。
大らかなひまわりのデザインが素敵なお品です。

ケーキ用大皿とデザート小皿は別々でばら売りです♪





白いポーセリン製のラヴィエ。
美品です。






以上気になるお品ものはございましたでしょうか???

詳細はUP後のオンラインショップでお確かめください♪

以上のお品ものたちは、8月後半のグルニエイデコのオンラインショップにお目見えいたします💕

グルニエイデコのオンラインショップ
http://ideco.ocnk.net/

店長 イデコ(*^^*)


※ 8/10-8/18まで夏休みいただきます。
南仏にはおりますが、友達や相方の家族とバカンスを過ごしますのでお返事が遅れてしまうことがあるかもしれません。
なるべく早めにご連絡差し上げますがよろしくお願いいたします。