グルニエイデコのオンラインショップを始めた当初よりずっと、いつかはまとめてどこかで説明しなければ、と思っている内容。
グルニエイデコオープン当初は、「アンティーク食器はインテリアの飾りもしくはコレクション用」でいた店長イデコ。
でも、実際のところ、ほとんどのお客様はアンティーク食器を実用として使っていらっしゃる。
フランス人の家庭では、19世紀後半のお皿たちが普通に使われていたりします。
使えるんです。
実際。
ただし、注意は必要になります。
いろんなパターンがあって、未だにまとめきれていないので、今回もブログとしてご紹介します。
また私の言っている事がすべて正しいわけではありません。
今回は19世紀初期のテールドピープについて。
先日友達に購入してもらった、19世紀初めのサルグミンヌのお皿です。
ちなみに、購入してもらったのは下の2枚で、上の写真のお皿はうちにまだある分です。
このセット、他のお皿もすでにヒビが入ったオーバル皿があり、アグラフという古い技法で修理がしてあります。
ヒビが入りやすい陶器なのかもしれません。
1800-1830年あたりに作られていた砂のように粒子の細かい白い土から作られています。
フランスでは当時のたばこ用のパイプのヘッドにも使われていたので、テール(土)・ド・ピープ(パイプの事)と呼ばれています。
送ってもらった写真がこちら。
2枚選んでもらったうちの1枚にはすでにヒビが入っていました。(右)
フランス人は多少ヒビがあってもカケがあっても愛着のある食器を使い続けているので、これくらいは私も大丈夫だろうと思ってしまっていました。
ところが、友達の話によると、チリコンカルネを作って、熱々の状態でお皿に乗せたところ、ピキッと音がしてヒビが入ったそうです。
熱をショックとして捉え、ヒビのあった部分のヒビが拡大してしまったと考えられるかもしれません。
それと、水に浸けたところ全体が黄ばんでしまったと。
よーく2枚を見比べると確かに、色が変わっています。
とても優しい友達で、文句を言うわけではなく、正しく報告するという形でお話してくれて、本当にありがたいなと思いました。
柄が気に入っているから大丈夫とも。
今回のお話でとっても勉強になったのですが、そうでなければ、お客様の中にも熱々の食材を乗せてお皿が割れてしまった事がある方もいらっしゃるはず。
2011年より3件ほどしかご報告をいただいていないのは、少なすぎやしないだろうか。
なるべく、実用向きではない事は書き出しているものの、全部に目が届いていないのは確かです。
そんなこともあって、目に見える場所に説明を貼っておきたいのですが、本当にこれが難しい。
例えば、陶器製のコーヒーフィルター。
日本製です。
日本で1200円くらいで購入したものです。
何年お店にあったかは分かりませんが、新品で購入しました。
使ってすぐに(初日だったかもしれません)熱湯を注いで、コーヒーがドリップされるまでの間、少し離れた場所でべつの作業をしていたら、「ピキピキッ!」ってすごい音がしました。
駆けつけるとヒビが!
それから、熱湯を注ぐ前にある程度熱いお湯で温めてから使うようにしました。
今はまた直接入れてますが。。。(;^ω^)
ものぐさ?
かれこれ5か月ほど、ほぼ毎日使って、小さな貫入が入るようになりました。
貫入はとってもゆっくりです。
このまま全部に貫入が入るというわけでもなさそうです。
ヒビの入った場所は、左右の繫ぎ目からでした。
新品でヒビが入っていなくても、つなぎ目からヒビが入る場合があると言う事ですね。
本来ならば目止めなるものをした方が良いようです。
今さら聞けない…陶器の基本【目止め】簡単3ステップでやってみよう | キナリノ
https://kinarino.jp/cat6/29915
今更目止めをしても遅いのでしょうかね、やっぱり?
これは使い始めのヒビが入った日に撮った写真。(5か月前)
ドリッパーの下の繫ぎ目にヒビ、入っていますね。
最初はこんな感じでした。
はじめに目止めをすればヒビ、入らなかったのかなぁ???
お米が貴重なフランスで、毎回目止めをするのも。。。って実は面倒なだけですが。
また、本当に砂のように細かで柔い質感のテールドピープに目止めをして効くのだろうか?などなど。
未だに謎なところが多いです。
これではまだまとめになりませんね。
でも近いうちにオンラインショップの方に、使う際の注意事項として何処かに付けたしたいと思います。
今年の内には(;^ω^)
皆さまがお優しすぎて、ご報告が滅多にないもので、きっといろんな体験されていらっしゃるのではないかと。。。
心配しております。
こんなことがあった、体験話是非お聞かせください。m(__)m
出来る範囲でこちらも対処させていただきますし、こういうお話がとっても参考になります。
また、私も成長できる良い機会なのです。
もう成長しなくていいはずの年なんですけど、爆。
<アンティーク食器と長く付き合うには>
① フランスアンティークのFaience製の食器を使う前に目止めをする。
素地の目が細かく固く焼き上げられているポーセリン製の食器には必要がないと思われます。
また今回のテールドピープ素地のものに有効かはまだ分かりません。
② 実用として使う場合は、19世紀終わり~20世紀のものを選ぶ。(19世紀中期以前のものはコレクション用と考えていただくか、乾き物やデザートなどに使うなど)
③ 熱々のものを乗せる際は、あらかじめお湯などで温めておく。
④ 電子レンジは避けてください。
⑤ 食器洗浄機もお勧めしていませんが、実際使った方のお話では逆にお皿の黒ずみが取れて綺麗になった方もいらっしゃいます。
ただ、フランスの水はカルキが多いのでフランスでは避けた方がよさそうです。
⑤ ヒビのあるものは金継など食品を乗せても問題がない方法で修理しておく。
⑥ アンティーク食器として、破損しても大切にしてくださる方にご購入いただくのが理想的です。
ですが、
本当に破損話などありましたが、遠慮なさらずご連絡くださいね。
私もこうして勉強しております。
よろしくお願いいたします。